映画「ラストマイル」を観て―荷物が届くまでにある現実と、サスペンスの緊張感―

その他

はじめに

先日、アマゾンプライムで映画「ラストマイル」を観ました


タイトルにある「ラストマイル」とは、物流の世界で“商品が消費者に届く最後の区間”を意味する言葉です
ネット通販が当たり前となった今、私たちはワンクリックで商品を注文すれば翌日には届くこともあります
しかし、その裏側でどのような人たちがどんな苦労をしているのか、
普段はあまり意識することがありません
この映画はサスペンス作品でありながら、
同時に現代社会の物流事情や労働環境にも光を当てていると感じました

あらすじ

2024年8月に公開された「ラストマイル」
物語の舞台は、ネット通販が一般化した現代社会の最前線である物流センターです
ブラックフライデー前夜、最大手のショッピングサイト「DAILY FAST」の関東センターから出荷された段ボール箱が次々と爆発し、
やがて日本全土を震撼させる連続爆破事件へと発展していきます
そのセンターのセンター長として満島ひかりさん、チームマネージャーとして岡田将生さんは、
爆破事件の収拾と稼働し続ける物流システムの維持という狭間で奔走します

現代でなくてはならないもの

物語は、大手ECサイトで購入された荷物が次々と届く日常から始まります
購入者にとっては当たり前の光景ですが、その裏側では下請け、
さらにその下請けといった多くの人々の手を経て荷物が仕分けされ、運ばれていきます
コロナ禍以降、ネット注文はますます増え、宅配業者の負担は急激に膨らみました
それでも現場で働く人々の給料は安く、元請けからは厳しい扱いを受ける
その理不尽さが、映画を通して浮かび上がってきます
私は観ながら「私たちが便利さを享受できているのは、この方々の努力のおかげなのだ」と改めて実感しました
今後は少しでも再配達を減らせるように、できる限り一度で受け取ろうと意識したいと思います

この映画の中心にはサスペンス要素があります
物語が大きく動くのは、届いた荷物を開けた瞬間に爆発する事件が発生したとき
出荷元は「DAILY FAST」という会社で、そこでは数多くの派遣社員が働き、
日々膨大な荷物を送り出しています
誰が、どのタイミングで爆弾を仕掛けたのか
現場の混沌とした状況の中で、事件の真相を追う人々の姿が描かれていきます

便利さの裏に潜む不安

私が特に印象に残ったのは、「便利さの裏に潜む不安」というテーマです
ネット通販は私たちの生活を大きく変え、なくてはならない存在になりました
しかしその便利さの裏で、過酷な労働環境に置かれている人がいる
そして今回の映画のように、悪意ある者がその流れに介入すれば、
荷物は一瞬にして“脅威”に変わってしまう
この映画はあくまでフィクションですが、
「もし現実に起こったら?」と考えると決して他人事ではない怖さを覚えます

また、物流業界の“見えない部分”を知ることで、自分の生活を見直すきっかけにもなりました
例えば再配達問題
私たち利用者が少し配慮するだけで、業者さんの負担は軽くなります
映画を観終わったあと、私は単なるエンタメ作品としての面白さ以上に、
「明日から自分ができることは何か」と考えさせられました

まとめ

「ラストマイル」は、サスペンスとしての緊張感と、
社会派映画としてのメッセージ性を兼ね備えた作品です
最後の最後まで犯人が誰なのか分からないスリルを味わいつつも、
同時に現代社会の歪みや課題に直面させられる
その二重構造が非常に印象的でした
観る前は単なる推理映画だと思っていましたが、
実際にはもっと深いテーマが潜んでおり、観終わった今も余韻が続いています

荷物を受け取るという何気ない日常
その背後には、無数の人の働きと苦労が積み重なっています
「ラストマイル」はその現実を、エンターテインメントを通じて私たちに突きつけてくれる作品でした

みなさんもぜひご覧になってください!

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